僕ヲ愛シテ

先輩の笑顔

今日も朝から体中が痛い。



先輩と出会ったのは高1の時。

両親を亡くし、親戚に引き取られて都内の男子校に編入した僕に、クラスの人が紹介してくれたのが先輩。

地元が同じって事で不安が無くなって、両親がいない同士で仲良くなって、先輩の卒業後、僕が高2の時付き合いだした。

男同士だけど、というか恋愛なんかしたことなかったけど、先輩とならいいかなって思ったんだ。

高校時代は本当に優しい先輩だと思っていた。

大学に入ってから、なぜか男女からモテる僕に嫉妬?を始めた。
そして他の学生や講師と話す度に暴力を始めた。



「なんだろ…心が痛いや」


僕はただ愛が欲しかったんだ。

となりで眠っている先輩を起こさぬように、服を着るためにベッドを抜け出そうとしたが、不意に手首を強い力で掴んできた。

起きてたんだ……。


「…なに……」

「心が痛いって、何」


「……先輩の事好きすぎて?」

「ふーん」

ギリギリと手首を掴む力を強め、

「ありがと」

そう囁いてキスをしてきた。

そして…笑った。


その笑顔は暴力をふるう時とは正反対の顔で。

あまりに笑顔すぎて、


なんだか…怖い。


そう思った。
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