僕ヲ愛シテ
「それにしてもひどいな、あの男。女の子を怖がらせるなんて」

窓の外を見ながら言う紫のネクタイさん。凄くクール。

「え、僕…女の子じゃありません…」

「あ、悪い…///俺らより、可愛いもんだから」

あ、焦るんだ。

「俺らより可愛い…?」

え、皆男の子じゃないの?

「ちょ、ハルカwあー、俺らな、男装してんだよ。男装ホストクラブ、12o'clockで働いてて、4人で4o'clockってユニット組んでる」

男装ホストクラブなんてあるんだ…。
赤のネクタイさん…すごいイケメンさんだなあ。
ハルカ?さんも。

「そうなんですか…え、あなたも女の子?」


「え、何?俺男に見えた?うれし~」


「尊敬します…僕、どこ行っても、女の子と間違われるんです」


「そうなんかー。そらつらいな」


「なんか、皆さん見てたら負けられませんねっ」

「あ、やっと笑った」

青のネクタイさんが言う。


「え…」


「…見た目なんか関係ないよ。自分らしく生きたらいい」

大きな瞳に吸い込まれてしまいそうで、なんとなく俯き、ありがとうございます、と呟いた。
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