掌編小説集

11.帰還を願う

戦地に赴く貴方を見送る。


『これをお持ち下さい。』

「大切な守り刀であろう?」

『はい。…ですから、戻られたらお返しいただけますか?』

「承知した。必ず手渡すことを約束しよう。」



――どうかご無事で
     お戻り下さい。――

遠ざかる背中に祈りを込めて。
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