掌編小説集

*122.止める者はもう居ない

手の届く大切なものを
たくさん、たくさん、
押し退け、踏み台にして


一番高いところに実った
とても気高い果実を掴み取った



孤高の覇者は
憐れな独裁者に成り下がり


その果実がいつか枯れ逝く
淡く儚いものとも知らずに
破滅の道を歩いて逝く
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