掌編小説集

193.革命か侵略か

スラングが飛び交い
多様なエスニックが暮らす

そう、ここは………


高貴な世界では
スラム街と呼ばれるところ


カーネーションは踏みにじられ
黄色いチューリップを求める



空(ルフト)は灰にまみれ
街が抱え込んだストレスで

流し込んだものの味なんて既に分からなくなった



司法取引により手に入れた

青酸化合物・ヒ素・農薬・強心剤・麻薬・覚醒剤


法律なんて役立たず

善か悪かなんて興味もない


自己の利益の為だけに
ただ、生きていく



しかし、突然かの国より訪れたジャーナリスト

チューターと呼ばれた彼がもたらしたシンセサイザー



頭の中で交互(デュアル)に鳴り響く赤色灯は
最後に残された本能か


均衡が崩れ去った街の記憶はブラックアウト


目覚めた世界はまるで異世界



リフレインするシュプレヒコールは

異様な光景か

それとも

希望の光(リュミエール)か
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