掌編小説集

203.未必の故意は、結局故意ではないか?

パパが寝ている。


手元には火のついた小さな筒。


ママも寝ている。


小さな筒はだんだん短くなって、落ちちゃった。



緑色の床が、黒色に変わっていく。



パパを起こす?

ママを起こす?



だけど………、

ゆらゆら揺れる目の前の
綺麗な赤色を見ていたいな。


このまま、ずっと。



だから、起こさなくて大丈夫。


あなたも、そう思うよね?
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