掌編小説集

*244.買い被った殺意と見誤った愛情

凶器を向けた私に
貴方は私を見据えて言う



確かに貴女は誰であろうと殺せるでしょう


ですがいきなりこんな事はしない


まずは経緯や動機を聞き

様々な事を考慮し総合的に判断する


それが貴女だ


まぁ僕は貴女になら殺されても構いませんよ

寧ろ、貴女以外には殺されたくありませんね



私の真意は分からなくても
微笑みながらそう言う貴方


本気の殺気を漂わせ
仲間でさえも凍り付いている状況なのにね



闇に堕ちた貴方と
闇に染まった私


愛を知った貴方と
愛を感じた私



狂気を笑顔に隠し
偽りの言葉を並べ


抗いましょう
運命とやらに
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