掌編小説集

*250.微睡みは底無し沼

見えもしないのに
何処からか聞こえてくる

耳障り極まりない音色


紛れて歪みだすのは
悪夢だと思い込んだ現実



消滅させたハズの愛情

砕き壊した生きる理由


存在を主張するように
破片が包み込んで纏わりつく



目を閉じても

耳を塞いでも

息を止めても


気配は消えない



あれ?


どうやって、

息をするんだっけ……?
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