掌編小説集

262.身体の自覚と心の自覚

血を見ると吐き気がして
肉を切り裂く感触が消えない


恐怖に歪んだ顔が焼き付いて
最期の声が耳から離れない



泣き顔が苦手になって
笑顔が見たくて

一緒にいたくなって


既に壊れた身体を無理矢理起こし

まだ一緒にいたいと
まだ一緒にいられると


貴方の元へ行きたいと思うようになったのは

一体いつからだろうか?
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