掌編小説集

295.一心不乱貴方思考

目を開けたら白を基調とした部屋


寝ていたらしくベッドの上



混乱する私の頭を過ったのは
貴方が刺された場面



ハッとして駆け出し
向かうは捜査本部


走って走って走って


息切れしながら開けた扉の先


捜査員の中に見つけた貴方


驚く貴方を尻目に
スーツをまくり傷を確かめる


傷が無いことに安堵する私とは対照的に


それはこっちのセリフだと焦る貴方




ああ、だから私は病院にいたのか




けれど良かった


貴方が無事で…





私の意識はそこで途切れた




無茶して

上司に怒られるのと
仲間から冷やかされるのは


これから少しだけ先の話
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