掌編小説集

*308.そして世界はサヨナラを告げた

曇りの無い純粋な目で見透かして
真実に近付く君を遠ざけることでしか守れない


正解の無い選択肢しか残されていないのなら


君の優しさを痛みに変えて
君の叫びを切り捨てて


思い描いた夢を壊しても
狂った予定調和に無慈悲に従って誘おう



歪みに耐えきれなくなって
堕ちた世界は

残酷なほどに美しかった
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