掌編小説集

327.とどのつまり、当たらずと雖も遠からず

私を守ろうとして
誰かが傷付くなら

奴が向けた刃に
自ら飛び込んで


奴の罪の枷を私が増やして
全てを終わらせる


私の大切な人達と
二度と会わないように


望まれてなかったのだから
産まれてこなければよかった



そうすれば
私は奴に会わなかった
奴も私に会わなかった


そうすれば
誰かを傷付けることは無かった
誰も傷付くことは無かった




失うだけの世界なら
最初から無い方がいい
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