掌編小説集
369.目に見えないものこそ
題、「命」
それは私の作品
世界中から注目を集める作品展の一角
有名も無名も関係ない、飾られた絵達。
だけど、そこに私の「絵」は無く。
かける為のフックと題名のみで壁は丸見え。
しかし、絵は出来ていた。
今までで最高傑作と呼べるものが。
だが、もう無い。
子供達の不注意で燃えてしまった。
アトリエごと。
泣き謝る子供達を私は抱き締めた。
怪我が無くて、誰も被害に遭わなくて良かったと。
だって、私の絵は、絵のモデルは、
都会から遠く離れた、
生まれ育った小さな小さな村とあたたかい村民だから。
私が命を吹き込んだ絵が守ってくれた。
だから、「この」作品は私の最高傑作に変わりない。
それは私の作品
世界中から注目を集める作品展の一角
有名も無名も関係ない、飾られた絵達。
だけど、そこに私の「絵」は無く。
かける為のフックと題名のみで壁は丸見え。
しかし、絵は出来ていた。
今までで最高傑作と呼べるものが。
だが、もう無い。
子供達の不注意で燃えてしまった。
アトリエごと。
泣き謝る子供達を私は抱き締めた。
怪我が無くて、誰も被害に遭わなくて良かったと。
だって、私の絵は、絵のモデルは、
都会から遠く離れた、
生まれ育った小さな小さな村とあたたかい村民だから。
私が命を吹き込んだ絵が守ってくれた。
だから、「この」作品は私の最高傑作に変わりない。