掌編小説集

374.それが例え有罪でも

誰も呼んでくれないけど



貴方達は呼んでくれるでしょ


真っ直ぐ見てくれるでしょ


認識してくれるでしょ



調書という記録に残るでしょ




私がここにいるという証が



私の生きているという証が





私の中に刻まれた遺伝子を


分け与えてくれた人達には


一度だって呼んでもらえないとしても





『私』という証拠を



『それ』は証明してくれる
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