掌編小説集
*391.握り締めた拳に赤が滲んでも
掴む裾に込めた気持ちへ
離れるなと言ったくせに
涙を掬えないなら
心を救えないなら
自ら離れる理由なら作ってしまったから
傍に居れない理由なら貰ったから
離れるなと言ったくせに
涙を掬えないなら
心を救えないなら
自ら離れる理由なら作ってしまったから
傍に居れない理由なら貰ったから