掌編小説集

397.プラシーボ効果

誰に対しても笑顔で話す君が俺に気付く




綺麗な君に知られたくなくて




溢れ出しそうな醜い嫉妬心を



封じ込めるように君を抱き締めて



誤魔化し隠すは自分の為





普段は人の居る場所ではしない行動に




具合が悪い?大丈夫?と優しい君の顔が心配そうに歪む




倒れ込んだと的外れな心配する君に




思わず吹き出してしまい




君が拗ねてしまったので




大丈夫と言って謝った





君の存在は不安材料



けれど




君の言動は俺の安定剤





言葉に反して離れぬ身体に



怒る言葉とは裏腹に抱き締め返してくれる君に






君以外は無理だと悟る
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