掌編小説集
405.踏み止まれたのは
お前はこっち側だとあいつは叫ぶ
だろうな。と俺も思う。
だけど。
越えちゃならない境界線に一歩踏み出しかけた時、
引き留めたその腕を俺は振り払えないから
振り払いたくないから
だから、俺はそっち側にはいかない
いきたくないんだ
だろうな。と俺も思う。
だけど。
越えちゃならない境界線に一歩踏み出しかけた時、
引き留めたその腕を俺は振り払えないから
振り払いたくないから
だから、俺はそっち側にはいかない
いきたくないんだ