掌編小説集

419.欲張り過ぎると損をしますよ

同期が彼女がいるのに、合コンに行くんだよね。



なんて唐突に話始めた。




実際に合コンに行っているのは、貴方の方だって分かっているよ。



自分の行為をあたかも他人のこととして話をして、私の反応を見ているんでしょう?



今後も継続するかどうか決めようという魂胆でしょう。


後ろめたい行動をとっているから、予防線を張ろうとしていることぐらいお見通しなのよ。



だってちょっと


彼女が優しく待っていてくれているからと甘えてさ、刺激を求めて逃げているだけでしょ。合コンとかありえない。


なんて言ったら。







ほ、本当、本当だよな。絶対にありえないよな。正直言って人として屑だよな。まっ、俺は誓って無いけど。





って、



手元のリモコンに触れながら、泳ぐ視線と不自然に言葉を強調してる。






嘘をついている時や隠し事がある時に、


自分が言っていることを信じ込ませようとするあまり、


繰り返し言葉を強調する傾向にあるってこと、




貴方は知らないみたいね。
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