掌編小説集

426.哀テラリウム

虐待を受けているなんて嘘を付くから、



家から出ようなんて言うから、







いつも必死にご機嫌を取りながら、
どうすれば離れて行かないのか、
いつも考えているのに、



存在しているという一縷の希望すら、
先生のせいで、
霞んで消えかかっちゃうじゃない











奪わないでよ。












暴走した恐怖は狂気になり、



邪魔者がいなくなった世界で、



無限の歪愛を与えられ、



捧げた殊勝と、



無垢な愛を向け続ける
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