掌編小説集

433.「ちゃんと受かったんですよ。お願いですから、目を覚ましてください。」

殺害された被害者が恋人と疑われても、ご想像にお任せします、なんて非協力的で、


その被害者が生き別れた家族だったなんて冗談が真実だったら無言を貫いて。








貴女を籠絡した元上司が、私情を挟み異動を命じた挙げ句、


不正を自首させたくて説得した貴女を刺し重症を負わされても。








後輩である、僕の昇進試験勉強を手伝ってくれる、


そんな冷淡な態度を醸し出すのに、




冷酷ではない貴女を。







僕は、
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