掌編小説集

440.俺と君だけのリトミック

緊張から笑顔が引きつるのを隠すためについ口元を手で隠してしまっても、


冷静でいようと心がけてたのが周囲からみればただの無表情になってしまっていても、





君は笑って隣にいてくれた。








仕事や男友達の話をする君に、段々俺なんかといるより楽しそうと思えてきて、





俺はいらないんじゃないかと、抱いた必死の嫉妬なんて滑稽で笑えてしまった。








君に、嫌われたくない。



君に面倒なやつだと思われたくない。




けれど。




君に俺だけを見て欲しい。





君の唯一になりたい。










どこで見るかじゃない、






誰と見るかが重要なんだ。






だから、君と僕が見ればいいんだ。
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