掌編小説集

463.命と幸せと

みんな私の幸せを願ってくれた

守ってくれた


でも私は、

私の為に生きれない


貴方の為にも生きれない

みんなが哀れむ環境でも私は幸せだから


でも、

家族より、

家族同然より、

仲間より、

あの戦場で貴方が生きていたことが嬉しかった




だから、


私より一秒でいい

早く逝ってくれないかな?

貴方を置いて逝くなんて嫌だから

守られた私が貴方より先なんて駄目だから

私が全部引き受けて覚えているから



生きて幸せになってと願われた私が

全て見届けなきゃ


それしか出来ないから


それが私の意味だから
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