掌編小説集

485.ジェンティルドンナはファム・ファタール

昨今の世でも
校則の厳しいミッション系の女子校出身



『分かんない?髪、髪の毛切ったんだけど?』と俺の袖をちょんと掴み、


『今度は私が誘うね。』と頬を赤らめ、


『似合うと思って。』とノベルティに敏感で、


『変じゃないかな?』とレリーフのアクセサリーで着飾り、


『お揃いだよ。』と対のピンバッチを付けて、


『充電中〜』と後ろから抱きつかれ、


『なにかあった?』とおでこを合わせ尋ねられ、


『立ち入ったことを聞いてごめんなさい。でも心配だったの。』と悲しい顔をされ、


『苦しい峠でも必ず下り坂があるから頑張って。』と励まされ、


『あの話考えてくれた?私は真剣なのよ。』と迫られた。
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