掌編小説集

518.堤防を望む小さな文化住宅の窓から誕生花が見える暮らしを写真館で

20年前の所轄時代の事件なんて

覚えていないと思ったから

あえて言わなかった

奥様を亡くした貴方に

つけこむようで嫌だったから

けれど

思いとは裏腹に

貴方の方が募らせてしまったみたいね

紆余曲折あったけれど

子ども達に後押しされて

新たな命まで授かるなんて

思いもしなかったね
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