掌編小説集

557.野郎はなんて素敵な解釈をする外道だろうか

死に逃げられたくない
生に逃がしたくもない

誰も見向きもしないお前であっても
価値が下がって無くなる訳じゃない
存在証明なら俺がしてやってもいい

遠回しな求婚で閉じ込めるくらいなら
一層の事手籠めにして手の届く場所に
片時も離れぬように繋いでやればいい


祝福の光が輝くように閃いたのだが
うっかり息の根まで止めてしまった

必要とされ棄てられないことを実感しようと
理不尽を乞い願えるきらいがあるお前の為に
落花狼藉に及んだ礼には及ばないはずだった


待って暴力は良くない私は望んでない
一回落ち着いて話し合いをしましょう

などと口走って俺の崇高な計画を
身勝手に邪魔立てしたお前が悪い



いくつか質問してもいいですか?
と青い制服が投げ掛けてきたから

するだけならご自由にどうぞ
とニタリ嗤って答えてやった


俺と彼奴が言い争っていただって?

正に下衆なGUESS
状況証拠だけだろ

それだけで俺をホシ扱いする気か
物的証拠ってヤツを持ってこいよ

当たって見付けられずに砕けても
欠片を拾って俺好みにしてやるさ


さあせいぜい楽しませてもらおうか
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