掌編小説集

559.それくらい許してやらないと壊れてしまうから自分を責めるのだけは止めなさい

自分に任されたお役目

効率良く終わらせて

余った時間は頑張ったご褒美

と思ってもサボっている気がして

本当に小心者だと思う


馬鹿正直に申告しようものなら

暇人扱いされて

他人の役目まで背負わされて

出来たら当たり前

出来なかったら押し付けられ

お役目を果たしていないと言われ

他人はむしろ定刻に帰路に着く


イチたすイチは

イチより小さくはならない

はずなのに

自分たす他人は

イチどころかマイナス

自分の頑張りが他人に犯されて

他人たす自分は

イチどころかプラス

他人のサボりが自分によって帳消し


第六感に頼ってはいないけれど

信じているだけ

だって違和感は違和感でしかなかった


もう待たないよ

行きたい時には行くの


驚いた顔をして

終わらない執着を生み出して

引き留めたってももう遅い

そもそも歩み寄らなかったのだから

未練など有りはしない


有り難みが理解出来る頃には

いや出来やしないから

いつまで経っても

他人のせいにしか出来ないのか


いずれ分かることだけれど

お話などしない

お気に入りだけの仲良しこよしなど

どうなろうと知ったこっちゃない


痕跡を消し去って初期化する

イラナイと言って棄てたのはそっちなのだから
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