掌編小説集
562.観覧車のゴンドラが地面から遠ざかって空に近付いて往くように二人の相違は果て無き溝を描いて逝く
「良いよ」
後ろから肩に回された腕に重ねた手
「協力して‐ダマサレテ‐あげる」
ペディグリーペットも真っ青なブロークン・ウィンドウ理論
「何をすればいい?」
伽羅が導く逃避行は終わりが見えていても
「何でもするよ」
結婚しようねなんて遥か昔の約束を
「その代わり条件がある」
いつまでも本気にしているなんて思っていないから
「良い方ならちゃんと捕まえて」
貴方が覚えていないあの頃の時間が巻き戻らなくても
「悪い方ならちゃんと殺して」
私が覚えている関係ぐらいもう一度築けばいい
「いつまででも待っていられるから」
どんな状況であっても絶対に迎えに来てくれる
「葉見ず花見ずも深く根付かせるように傷で痕を残して」
抹香香る世に逃げるなんて許されるはずもないから
後ろから肩に回された腕に重ねた手
「協力して‐ダマサレテ‐あげる」
ペディグリーペットも真っ青なブロークン・ウィンドウ理論
「何をすればいい?」
伽羅が導く逃避行は終わりが見えていても
「何でもするよ」
結婚しようねなんて遥か昔の約束を
「その代わり条件がある」
いつまでも本気にしているなんて思っていないから
「良い方ならちゃんと捕まえて」
貴方が覚えていないあの頃の時間が巻き戻らなくても
「悪い方ならちゃんと殺して」
私が覚えている関係ぐらいもう一度築けばいい
「いつまででも待っていられるから」
どんな状況であっても絶対に迎えに来てくれる
「葉見ず花見ずも深く根付かせるように傷で痕を残して」
抹香香る世に逃げるなんて許されるはずもないから