掌編小説集

564.戻れぬ思い出も生きる糧

明確に存在した瞬間を切り取る作業

躍起になってなど言い方を変えれば

限界ギリギリまで見詰められる弁解


すれ違う視線は真に重なり逢わない

然れども合わせたいピントが山積み


しかしながらリアルタイムの感情は

他愛ないことでも他愛ない時間でも

ファインダー越しになんて見ずとも

奪い捨てなきよう確と焼き付けよう


代えがたいに駆り立てられて伝える

他にはないに突き動かされて届ける

具現化したそれらの軌跡を残したい


創作に片足を突っ込んだ身としては

僭越ながら爾く思い至った次第です
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