掌編小説集

610.万人不同の原風景

私が良い人凄い人と呼ばれているのはきっと周りの先達が良かったから

先輩達の良いとこ取りをして悪いとこは反面教師

それはNISCも真っ青な私の私による私だけの方法だから

後輩には各種取り揃えてありとあらゆる方法だけを示して

過剰な期待をしているわけでも過度に望んでいるわけでもなくたくさん与えるだけ

変えたくてもどうしたらいいのか分からなくて

下は上に求められないうちは本気で動けないこともあるかもしれなくて

何もしないうちに全てが終わったみたいな諦めたように見えてしまっていたら勿体無い

相談には乗るけれどもあらゆる可能性を否定せず

確率がゼロでは無いだけ希望を持つことが出来るから決断は委ねて

自分なりの考えで自分で試行錯誤をして自分に合ったしっくりする方法を選択してもらう

よりどりみどりは嬉しいものだけれど正しいものを選ぶことは難しいから

昔しか知らない者は当たり前だと思っていて今の者はその存在さえ知らないから

嘘を付いたり隠して動く人はいないけれど余計なことを言わずに引っ掻き回す人はいるから

猥雑な情報の交通整理をしていくことは必須

それが年齢を積み重ねてきた者の務めだと思っている

自分は居なくてもいいと思ったから放り投げるのではなくて

前に出来ていたことがたとえ出来なくなったとしても

出来ていた前の自分が一番正確で正解の教科書とは限らないから

情報を遮断して独占したり制限をかけたりしたのではなく

断絶が起こって失われないように仲介者が翻訳して託していくだけ

それが正解ではなく一つの形でしかないから

感覚の問題だから正確には掴めないし

自分自身にさえ取り出すことも出来やしないだろう

十万円持っていたとしても借金してまで百万円に見せる必要は無く

見せびらかさずに一歩引いて一万円ほどの謙虚な余裕を持とう

相手への態度をラベルでもレベルでも変えることはせずに

価格と値段と価値は違うから人気の高さではなく人柄の長さで勝負して

闇も病みも止ませて言い訳を良い訳にして晴れ渡った気持ちを感染させてゆき

自分の人生の結末を自分が知ることは出来ないし

自分が終わりを迎えようとも周りは続いていくのだから

片道切符のタイムカプセルを後世に残せるように

君なら出来るだろう?なんて随分と簡単に言ってくれると

パスを出してスペースを空けて全体を底上げしていきたい
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