掌編小説集

614.エゴサするまでもなく浮き彫りにして露呈したのはそっちの気の使え無さとこっちの我慢強さ

相手と同じことをすれば同じ位置に下がってしまうと言うけれど

相手には相手なりの正義があったのだと擁護するけれど

最初に傷付けた方が百パーセント悪いに決まっている

何万回何千回我慢した内の一回を

何十分の一いや何百分の一にして返しているだけ

やられたらやり返せと同等の仕打ちを

自分と同じことをされて逆上とか逆ギレとか

する意味が分からない

恨みを晴らさなきゃ生きていけないのか

相手と同じ立場まで成り下がるなんてしなくても

ただただ再現しているだけだ

自分がされて嫌なことは相手にもしない

それだけでいいのに

後悔しているのは別れた事じゃない

そんな相手に出会ってしまった事だ
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