掌編小説集

624.内儀の意地の封切りは生き字引‐ロートル‐になっても何時ぞやに

好きって言われていないけれど

好きというたった一言が大事なんだけれど

ちゃんと君の口から君の声で君の想いを聞きたいけれど

君にとって特別な存在でいられているのはなんとなく分かるけれども

それが恋愛感情にまで発展しているかどうかの決定打は今のところなくて

言わなかったり言葉を濁したりするけれども

嘘は言わないから

どの様に君が変わろうとも

私を大切にする君という部分が変わっていなければ別に問題は無いから

壁にぶち当たってしまう多くの課題や困難があるからといって

諦めるなんてことはない

自分でも分かっている追い求めすぎる理想を

自分の信じたい道を一つ一つ乗り越えて突き進んで

一生かけても絶対に言わせてやる

なんて意気込んでいるけれども

キミの目は節穴か?

サニタリーすら共同だぞ?

好きだなんてわざわざ言わなくても

こうやって嫉妬させているんだからいい加減分かれよ

一度言いそびれるとなかなか言えなくなるって知らないのか

これだけキミの事を考えているのに

自分の気持ちには気付かないフリをして

今際の際に言ってやるさ

なんて後に引けない強がりだね

そういうと思ったと私は仕方が無いとばかりに笑う

契りを交わして結んで幸せの共犯者

ブリーフィング的に言えば一生一緒に居るという事
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