掌編小説集

*63.都合のいい夢

真っ黒な空に浮かぶ真っ白な満月

その光に照らされた君


景色ははっきりしているのに君はぼやけてる


話しかけたって答えない


困った様に

悲しそうに

寂しそうに

それでも幸せそうに

君は声も無く笑うだけ




これが夢だと認識したのは

君がこの世にもう居ないと気付いたから
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