掌編小説集
633.気化熱‐ノックアウト‐
絞扼の徹夜‐コンディション‐が続き疲労が蝟集を極める
飴と鞭が上手な領袖に今後ともご贔屓にとは言い難い
天を仰ぐ様にしてもたれかかりソファーに沈み込んだら
一気に気が緩んで途端に睡魔が襲ってくる
ベッドで寝なければと思いつつ
体が重く重力に負けて動けずにいると
起きてきた彼女が俺の名前を呼ぶ
おかえりと言うその声はたどたどしくて
ただいまと返したけれどとても眠そうだ
起こしてしまったかと思って声をかけたけれど
彼女の視線は一点を見つめている
視線を辿れば判明した理由に狼狽えてしまう
いや、あの・・・えっと、その・・・
何でもないとか気にしないでとか生理現象だからとか
何を言っているのか分からなくなるほど動揺して
立ち上がって下がって距離を取ろうとしたら
彼女がおもむろに近付いて来て
手を引かれてソファーに座らされる
彼女の行動の意味が読めなくて戸惑っていると
俺の前にしゃがみ込んだ彼女
カチャカチャと何やら音がするけれど
暗闇に目が慣れているとはいえ月明かりだけで
しかも逆光だから余計に見え辛い
お腹の圧迫感が無くなってようやく
ベルトが外されたのだと気付き
彼女のしようとしていることに思い至る
慌てて止めようとしたけれど
感じた温かさにビクッとしてしまう
無理矢理引き離すことも危なくて出来ないし
離れさせようとしても髪の毛を掴むくらいしか出来ない
ご奉仕なんて自分には関係の無いことだと思っていた
そもそも他人には触れられたことの無い場所だ
こんなに気持ち良いものだなんて知らなかった
ちょ、待っ、離し、て・・・
なんて断りの言葉を無言の変わらない態度で断られて
チラチラ上目遣いで見てくるけれど
あっさり引き下がることはなく決して止めようともしない
吐き出したものは吸われて搾り取られて
何回なのかも分からなくなって頭がクラクラフワフワして
寝不足と疲労と気持ち良さが相まって
俺の意識は沈んでいった
飴と鞭が上手な領袖に今後ともご贔屓にとは言い難い
天を仰ぐ様にしてもたれかかりソファーに沈み込んだら
一気に気が緩んで途端に睡魔が襲ってくる
ベッドで寝なければと思いつつ
体が重く重力に負けて動けずにいると
起きてきた彼女が俺の名前を呼ぶ
おかえりと言うその声はたどたどしくて
ただいまと返したけれどとても眠そうだ
起こしてしまったかと思って声をかけたけれど
彼女の視線は一点を見つめている
視線を辿れば判明した理由に狼狽えてしまう
いや、あの・・・えっと、その・・・
何でもないとか気にしないでとか生理現象だからとか
何を言っているのか分からなくなるほど動揺して
立ち上がって下がって距離を取ろうとしたら
彼女がおもむろに近付いて来て
手を引かれてソファーに座らされる
彼女の行動の意味が読めなくて戸惑っていると
俺の前にしゃがみ込んだ彼女
カチャカチャと何やら音がするけれど
暗闇に目が慣れているとはいえ月明かりだけで
しかも逆光だから余計に見え辛い
お腹の圧迫感が無くなってようやく
ベルトが外されたのだと気付き
彼女のしようとしていることに思い至る
慌てて止めようとしたけれど
感じた温かさにビクッとしてしまう
無理矢理引き離すことも危なくて出来ないし
離れさせようとしても髪の毛を掴むくらいしか出来ない
ご奉仕なんて自分には関係の無いことだと思っていた
そもそも他人には触れられたことの無い場所だ
こんなに気持ち良いものだなんて知らなかった
ちょ、待っ、離し、て・・・
なんて断りの言葉を無言の変わらない態度で断られて
チラチラ上目遣いで見てくるけれど
あっさり引き下がることはなく決して止めようともしない
吐き出したものは吸われて搾り取られて
何回なのかも分からなくなって頭がクラクラフワフワして
寝不足と疲労と気持ち良さが相まって
俺の意識は沈んでいった