掌編小説集
651〜

651.バラエティに富んだ当意即妙こそ用意周到を超える真骨頂

彼が私を楽しませようと
デートプランを組んでくれたらしい

イマーシブ感たっぷりで
言葉通りの時間が過ぎていく

彼のオススメのお店に行ってみれば
運の悪いことに臨時休業

今までに見たことがないくらいに
彼は物凄く慌てていて

その慌てっぷりの様子に
私は笑いが止まらなくなってしまう

いつも完璧に見える彼が
いつも冷静に事を運ぶ彼が
慌てている姿が面白かったから

一通り笑った後に謝ったけれど
彼はばつが悪そうに落ち込んでいる

「代わりのお店を近場ですぐ探すから」

「一緒に探そうよそれも醍醐味でしょ」
< 651 / 664 >

この作品をシェア

pagetop