掌編小説集

673.ヒートショックは誰のせい?

彼が奴を人質にし再現をして
駆け込み寺の貴女に撃たれた
復讐を果たした彼は満足気で
助け出された奴は被害者面で

追われる事後処理ランウェイ
私は貴女へと銃を突き付けて
訪れる静寂の中暴露するのは

彼とあの人は昔からの親友で
私と二人はと古い知り合いで
私とあの人とは公認の恋人で
奴を守る為にあの人を貴女が
私の眼の前で射殺してしまう

彼はあの人の復讐の炎を灯し
貴女に近付いて誓った計画を
惜しみなく全て実行し続けて

あの時と同じ結末を選ぶ貴女
彼はあの人と同じ最期を迎え
今現在に至るわけだけれども

あの人は乱暴された私の為に
単純に奴を殺そうとしただけ

貴女は人質の生命を最優先し
安全を守った仕事をしただけ

彼は殺されたあの人の復讐を
死を持ち果たそうとしただけ

あの人も彼も貴女も何もかも
原因の私に巻き込まれただけ
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