隣のクラスの猫系男子



うわぁ、放送か。
緊張するな…声震えそう。


「がんばれ、実羽」


後ろにいたさーちゃんが言う。


「…さーちゃん、やってくれない?」


「実羽が頼まれたんだから。それに見ながら読めばいいんだし、大丈夫!」


何気に冷たいさーちゃん。


「……うん」


大丈夫大丈夫、落ち着け自分、と気休め程度の自己暗示。


「えっと、1番を押して……」


電話の受話器を取り、1番を押すとピンポンパンポーンと放送の始まりの音が流れた。


「図書委員会からのお知らせです。2年2組の図書委員さん、至急図書室まで来てください。もう一度繰り返します。2年2組の図書委員さん、至急図書室まで来てください」


言い終わり、私は受話器を戻した。


はぁ、終わった……


「お疲れ。ちゃんと出来てたよ」


「さーちゃん、ありがと」


カウンターの所に行くと、そこに座っていたさーちゃんが声をかけてくれた。



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