隣のクラスの猫系男子
「放送ありがとうね。沢井さんは、返却された本を戻してくれるかな?」
「あ、はい」
さーちゃんの隣に座っていた先生が、私にそう声をかける。
…よし、やるか。
この学校の図書室には様々な種類の本が置かれている。
古典文学や近代文学はもちろん、話題の小説、さらに料理本やスポーツ雑誌、ファッション雑誌や専門書など、幅広く扱われているため、利用者は結構多い。
そのため、返却される本も多く、元の場所に戻す作業も意外と大変なのである。
背の部分についているカタカナの文字と数字を見ながら、どこの本棚のものか探して戻す。
今探している場所は、「318のア」。
「えーと……あった」
場所は見つかったが、少し高いところにあった。
んー、微妙だな。
辛うじて入れることはできたが、奥まで押す気力がなくなった。
台を持ってきた方がいいかな……
そう思っていると、さっきの本を誰かが推してくれた。