隣のクラスの猫系男子
杉宮 麻央(すぎみや まお)くん。
私の男友達である、佐々木と仲が良いということくらいしか知らなくて、ほとんど話したことはなく、挨拶を交わすくらいだ。
杉宮くんのいる教室に入り、杉宮くんの机の前に来て、指先で軽くトントンと机を叩いた。
……起きない。
今度は、杉宮くんの肩を優しく叩いてみた。
「す、杉宮くん?」
すると、杉宮くんはフワフワの柔らかい癖っ毛の頭を上げ、虚ろなくっきり二重の目でこちらを見上げた。
「えっと……さわ、いさん?」
あ、名前覚えてたんだ。
「うん。もう16時半だよ?帰らないの?」
「あれ、いつの間に……」
ボーっとしながらも時間を確認している杉宮くん。