隣のクラスの猫系男子
猫系男子と猫
*
「じゃあね、さーちゃん」
「おぉ、じゃあね」
いそいそと帰る支度をし、さーちゃんに別れを告げ、教室を後にして隣のクラスをのぞいた。
…あれ?起きてる?
正確には、ぼーっとしていると言った方がいいだろうか。
まぁ、起きていることには変わりないが……
しかし、珍しい光景だった。
「あれ、沢井?」
教室から出てきたのは、これから部活に向かうであろう佐々木だった。
「やぁ」
「おぅ。何してんの?」
「あ、杉宮くんを……」
「麻央?おーい、麻央ー」
佐々木の呼ぶ声に、杉宮くんがふっとこちらに顔を向ける。
私がいることに気づいた杉宮くんは、カバンを持ってこちらに来る。