隣のクラスの猫系男子






私がじーっと見ていたせいか、杉宮くんがこちらに顔を向けた。


「ん?」


「あ、ううん」


私は思わずルナの方に目をそらした。


「ルナ、杉宮くんのこと気に入ったみたい」


「だったら嬉しい」


「……あ、時間大丈夫?」


時計を見ると、18時を指していた。


意外と時間経つの早いな……


「じゃあ、そろそろ……」


そう言いながらルナの頭をなで、帰る支度をする杉宮くんは、少し名残惜しそうな表情をしていた。


「沢井さん」


「あ、はい」


あまりにも真剣な顔で声をかけられたため、私はなぜか正した。


「…また、見に来てもいい?」


「へっ?」


なぜそんなことを……?


聞かれたことが単純な質問だっただけに、私は驚き、フリーズしてしまった。



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