隣のクラスの猫系男子





……ん?


目を開けると、上には白い天井が見え、ぼーっと考える。


えっと……あ、保健室だ。


頭が痛くて来たんだった……


来たときよりだいぶ痛みは治まった。


……もう少しだけ寝ようかな。


寝返りを打ち、横を向いたときに違和感があることに気づいた。


……ん?


人の腕があるような……


「……!?」


思わず、私は目を見開いた。


同じベッドに、杉宮くんが私を抱きしめる形で寝ていた。


なぜ、杉宮くんがここに……


ていうか、もう一つ空いてるはずなのに。


もぞっと動いた私をさらに強く抱きしめる杉宮くん。


……でも、抱きしめられているせいか、暖かくてまた眠くなる。


寝そうになったそのとき、ドアが開き、こちらに向かってくる足音が聞こえた。


えっ、どうしよう……


混乱した私は、なぜかとりあえず目を閉じることにした。


カーテンが少し開いた直後、真子ちゃん先生の「えっ」という声が聞こえた。


「麻央……?」


えっ……?


先生は杉宮くんの下の名前を呼び捨てで呼んでいた。


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