隣のクラスの猫系男子
猫系男子とお菓子
*
「結構上手くできたね」
「だね」
私とさーちゃんは、マドレーヌの入った袋を手にしながら、廊下を歩く。
家庭科の授業で、調理実習がありました。
マドレーヌは、卵黄と卵白に分けたり、冷蔵庫で寝かせたりという作業がなく、あまり時間をかけずにできるため調理実習に向く。
「それ、杉宮にあげんの?」
さーちゃんは、ニヤッと笑いながら言う。
「えっうん……」
考えてたことに気づかれ、私は恥ずかしくてさーちゃんから目をそらす。
さーちゃんには、杉宮くんへの想いを伝えてある。
「甘いもの好きって言ってたから」
喜んでくれるといいな……
「お、噂をすれば…」
「ん……?」
さーちゃんが見ている方に目を向けると、向かいから杉宮くんと佐々木が歩いてくるのが見えた。