隣のクラスの猫系男子
「……杉宮くん」
なんとちょうどいいところに……
教室の前にいる私たちの姿に気づいた杉宮くんは、ある程度のところまで来ると、私のところに近づいてきた。
「!?」
私は、驚いてしまった。
いきなり杉宮くんは顔を近づけて、臭いを嗅ぐように鼻をスンスンとさせた。
「す、杉宮くん?」
なんか、近いな。
「……甘い香り」
「え?……あ」
先ほど作ったマドレーヌだ。
「あの、さっき調理実習でマドレーヌ作ったんだ。よかったら、どーぞ」
袋を差し出すと、杉宮くんは袋ごと受け取った。
えっ、全部?
何個もあるのに……