隣のクラスの猫系男子
「ふーん…あ、俺ちょっと自転車置いてくるわ」
そう言って、佐々木は駐輪場の方に行ってしまい、また杉宮くんと2人になってしまった。
「…じゃあ、私は教室行くので」
「うん、じゃあ」
「じゃあ」
そう言って私は杉宮くんと別れ、昇降口に入る。
私の学校には上履きや靴箱がないため、ローファーのまま入っていく。
3階まで階段を上がり、少し歩くと自分の教室に着いた。
教室に入ると、わらわらクラスメートがいる中で、廊下側の前から4番目の席でバッグから取り出した教科書を机の中にしまっている私の親友、岩崎紗絢(いわさき さあや)のところに行った。
「さーちゃん、おはよ」
「おぉ、実羽。おはよ」
私が後ろから声をかけると、さーちゃんはそれに反応し、振り返って返事をした。
さーちゃんは、黒髪のショートで、目がパッチリ二重でキリッとしていて、背が高くスタイルのいい美人さんだ。
「ここ座っていいかな」
「たぶん」
HRまで少し時間があり、さーちゃんの前の席を借りた。