隣のクラスの猫系男子
「お姉さん、すごい気にかけてくれてるんだね」
「あ、うん。お母さんたちが忙しいから、大体お姉ちゃんが私の面倒見てくれたんだ。だから、今でも心配して電話くれるんだよね」
「へー。そういえば、お姉さん一人暮らし?」
「あ、彼氏さんと同棲してる」
「そうなんだ」
「……あの、電話出てくれて、ありがとう」
私は杉宮くんを見ないまま、軽く頭を下げる。
「ううん。はぁー、でもちょっと緊張した」
そう言って、杉宮くんはソファのところに寄りかかる。
「緊張してた!?」
「してたよー」
「へー……」
私も隣でソファに寄りかかる。
杉宮くんも緊張するのか。
いや、失礼か。
そう思いながら、天井をボーっと見る。
まさか、姉と杉宮くんが話すことになるとは思わなかったなー……
そして、本当に杉宮くんには様々な醜態を晒してしまった。
「沢井さん?」
ふわふわした意識の中、ふと杉宮くんの声は聞こえた。
「……んー?」
「眠い?」
「んー……」
杉宮くんの声が遠くに聞こえる。
しかも、まぶたがどんどん重くなってきた。
そのまま目を瞑った瞬間、ふっと意識を手放した。