隣のクラスの猫系男子
*
「お邪魔しました。朝ごはんまで作ってもらって……」
「ううん。こちらこそお世話になりました。一緒にいてくれて、心強かった」
昨日作ったレモンケーキを渡し、お見送りのため玄関まで行く。
「……あ、沢井さんLINE教えて?」
「え、いいけど…どうしたの?」
杉宮くんからそんなこと言ってくれるなんて、珍しい。
「いつでも連絡できるかなと思って」
「あぁ、ルナのことか」
そうならそうと言ってくれればいいのに。
でもちょっとルナに嫉妬しそう←
「違う違う。沢井さんが連絡しやすいように」
「……え?」
私……?
「寂しいときとか、用事がなくても連絡してくれれば話し相手くらいにはなれるし」
……杉宮くん、なんでそんな優しいの?
思わず涙が出そうになるのを抑える。
「……遅い時間にかけちゃうかもよ?」
「頑張って起きとく」
「すごい朝早くに電話するかも」
「え……」
携帯をフリフリしながら、うーん……と真剣に悩んでいる様子の杉宮くんがかわいく思えた。
「嘘だよ。……でも、ありがとう」
「うん。じゃあ、お邪魔しました」
「気を付けて」
LINEの交換を終え、杉宮くんは帰っていった。