死ぬまで
死ぬまで
大きなくちばしのようなハサミの、鋭く尖った刃を喉に押し当てる。
それはひんやり冷たくて、その冷たさとは反対に、頬は熱くなる。
緊張で手が少しだけ震えるんだ。
だけど心は冷えたままで、僕はもう一度ハサミを握り直す。
そして、今度こそ喉に突き立てた。鮮血が飛び散る。手をぐいっと下に下げると、それで喉がぐわっと裂けるんだ。
血は流れ続けて、視界は徐々にぼやけてくる。
薄れゆく意識の中で、僕は君の笑顔を見るんだ。
そして幻の君は、僕になにか話しかける。
でもその言葉は少しも僕に届かない。僕にはこれっぽっちも聞こえないんだ。
それなのになぜだか君の笑顔が愛しくなって、今更僕は生きたいと願ってしまう。
けれど叶わずに覚めない眠りが僕を包み込んだ。
真っ白な世界に、僕の意識はふわふわ漂っている。
ぷかぷか浮いていると思ったら、急に下降しはじめた。
ものすごい速さで、下へ、下へ、落ちていく。
周囲はどんどん暗くなる。
いつの間にか真っ暗になっていて、下降も止まる。
何も見えず、何も聞こえない。
ぷつり。
突然世界のすべてが消えるんだ。
暗いのか明るいのかもわからない。
遂に自分という存在すら溶けて消えた。
それはひんやり冷たくて、その冷たさとは反対に、頬は熱くなる。
緊張で手が少しだけ震えるんだ。
だけど心は冷えたままで、僕はもう一度ハサミを握り直す。
そして、今度こそ喉に突き立てた。鮮血が飛び散る。手をぐいっと下に下げると、それで喉がぐわっと裂けるんだ。
血は流れ続けて、視界は徐々にぼやけてくる。
薄れゆく意識の中で、僕は君の笑顔を見るんだ。
そして幻の君は、僕になにか話しかける。
でもその言葉は少しも僕に届かない。僕にはこれっぽっちも聞こえないんだ。
それなのになぜだか君の笑顔が愛しくなって、今更僕は生きたいと願ってしまう。
けれど叶わずに覚めない眠りが僕を包み込んだ。
真っ白な世界に、僕の意識はふわふわ漂っている。
ぷかぷか浮いていると思ったら、急に下降しはじめた。
ものすごい速さで、下へ、下へ、落ちていく。
周囲はどんどん暗くなる。
いつの間にか真っ暗になっていて、下降も止まる。
何も見えず、何も聞こえない。
ぷつり。
突然世界のすべてが消えるんだ。
暗いのか明るいのかもわからない。
遂に自分という存在すら溶けて消えた。