【短編】もう少しだけ
「別にいいけど。次からは止めてね」
「うんっ♪」
また嬉しそうな顔をして、ニコニコと私を覗き込んだ。
その顔を見て、私もつい笑みを零してしまう。
こんな関係。
これが私達の関係。
「ねー、真祐君?」
「んー? 何ー?」
私達の隣に来たクラスの女子が話しかけた。
真祐が横を向き、私も顔を向けた。
「茅乃と真祐君ってさー。実際、どこまでしてるの~?」
はぁっ!?
あまりの驚きに目を見開いてしまった。
「どこまでって、何が?」
頭の中が大パニックを起こしている私とは
対照的に冷静に聞く真祐。
私も、彼女達がどう答えるか必死に冷静を装いながら待った。
「えー。そりゃねぇ?」
クスクス笑いながら、隣の女子を目を合わし笑う。
そして、また真祐に目を向けた瞬間、
「キスとかHとかだよー?」
「はっ!?」
冷静を保っていた、いや、保とうとした私だったけれど
思わず、大きな声が出てしまった。
私の声に、皆の視線が集まる。
「え、あ、いや……」
必死に取り繕おうとすればするほど墓穴で。
関係なかった男子や女子も数人集まってしまった。
「え? もしかして…まだとか?」
苦笑いしながら、首を傾げる女子。
後から来た人達は
『何、何ー?』
って質問攻め。