煙草とキス
それなのに、まだ何やらやっている5人を横目に
あたしはそっと、室外に出た。
数日前……
バイト中に、メイから電話がかかってきたとき。
あたしは、慌てて電源を切ったきり、メイに電話をかけ直していなかった。
快斗とメイの過去を
知ってしまったから、なんてのは、全然理由じゃなくて。
時間が無かったとか、忘れてたとか。
そんな理由でもない。
ただ………
何故か、臆病な自分がいた。
「………あっ、もしもし」
だけど、あたしは………
「あっ!澪ちゃん?」
「あっ…あの……」
「嬉しい!メイだよ~」
ドキドキする胸を押さえながら
メイに自ら、電話していた。