煙草とキス
「この前は急に電話しちゃって…。
もしかして、仕事中だったかな?」
「いや……うん、そうなんだけど…」
初めて会ったときと、ライブで見たときとはまた違うメイだった。
すごくフレンドリーで
かわいらしい声で、とてもハキハキとした喋り口調だ。
「この前は早く澪ちゃんと話したくてね、世那くんに番号聞いたんだ」
「世那に……」
「おかげで、澪ちゃんともまた話せて、すっごく嬉しい!」
メイはそう言うと、クスッと笑った。
そんなメイに
いきなり“澪ちゃん”と呼ばれて
何故か、すごくドキッとした。
でも、いきなりそう呼ばれても、違和感は全くなくって。
むしろ、なんだか少し、メイに近付けたような気がして
嬉しくなるあたしが
そこにはいた。